バリ・ヒンドゥー教の歴史、カースト制度と人々の名前、なぜバリ島は独自の宗教なの!?

バリ島

世界中で最も多くのイスラム教徒を有するインドネシア。

イスラム教が9割を占めるインドネシアにおいて、バリ島は独自の宗教バリ・ヒンドゥー教(国民の2%)を信仰している特別な島です。

島の人々にとって、とても大切な宗教。バリ島とヒンドゥー教の歴史、繋がりを私なりに調べてみました。

バリ・ヒンドゥー教の歴史

バリ・ヒンドゥー教の歴史は、4~5世紀にジャワ島を経由してインドのヒンドゥー教や仏教がバリ島へ伝えられ、土着宗教と融合し、ジャワ島とは違うバリ島独自のヒンドゥー教が発達していきました。

大きなきっかけとなった、16世紀にインドネシアを支配していたマジャパヒト王国のイスラム勢力による衰退。これにより、マジャパヒト王国のヒンドゥー教徒がイスラム勢力から逃れてバリ島へ移住してきたため、インドネシアの他の地域と異なり、バリ島でヒンドゥー教が浸透していきました。

第二次世界大戦を経て、インドネシア共和国は独立。憲法上全ての宗教に平等な権利を与えられたことで、イスラム教を国教とせず、ヒンドゥー教を含めた6つの信仰を公認しています。

バリ島におけるカースト制度と人々の名前

ヒンドゥー教の社会における身分制度のカースト制度

マジャパヒト王国により植民地政策としてカースト制度が導入されたバリ島では、人々の名前にカースト制度が今でも色濃く根付いています。

1番上の子にはワヤン、2番目にマデ、カデッ、3番目にはニョマン、4番目の子にクトゥッ。

これはカーストが一番低いスードラのみのルールだそうです。バリ島では9割がこのスードラの階級。しかしインドの厳しいカースト制度と違い、バリ島の人々は精神的に豊かであることを重視している印象があります。

何より、みんな笑顔が素敵!

バリ島で参加した儀礼Ngaben

そしてバリ・ヒンドゥー教に多く存在する儀礼の中でも、人生最大の儀礼と言われているのがNgaben(ガベン)

先日、大家さんワヤンの祖母が80歳という高齢でお亡くなり、その方とは特別面識がないのですが、バリの伝統儀式であるNgabenガベン(火葬式)に参加させて頂けるとの事で。家族の様に迎え入れてくれて本当にバリニーズの温かさに触れました。

人々の生活のすみずみに根付くバリ・ヒンドゥー教には、「輪廻転生」の教えがあり人の魂は肉体が朽ちても永遠に不滅であり、また別の人となって復活すると信じられています。

「死」とは悲しむべきものではなく、新しい人生の始まりとして喜ぶべきもの、という考え。

死者は火葬によって魂が解放され、より高い次元になるとさえ言われています。

新たな人生の門出なので、涙は禁物

日本の様なお葬式の黒一色と言う訳ではなく、女性は鮮やかなクバヤを身に纏い、笑顔で自撮りをしている参列者たちも居るほど!笑

私も前日にクバヤを買いに連れて行ってくれて、しっかり着用して参加。

私は隣に座ったお話好きな人々に何度か声をかけられ、「あなたどこの人?」的な質問だと思いますが、インドネシア語が話せないのでなんとなく笑ってその場を凌ぐのでした。苦笑

自宅での儀礼、お供物チャナン

火葬式より何日か前の日より自宅で行われる儀式。火葬の日はバリの暦に従って適切な日取りがある様です。死者はその間、埋葬されていたり、時にはホルマリン漬けにされることもあるとか!

自宅から火葬する場所までガベンパレード

バリ島では地域の絆が強く、バンジャールと呼ばれるコミュニティがあります。この火葬式でも、バンジャールが取り仕切り行列を作り空き地まで移動。

空き地に移動した後火葬が始まる

たくさんの供物が捧げられ、聖水がかけられた後火が付けられます。何時間も掛けて燃えた後に、椰子の容器に拾い集められた骨辺は納められます。

火葬された遺骨は、高僧により清水で清められた後、川や海に流しに行きます。

トリ・ヒタ・カラナ(Tri Hitta Karana)」とは、バリ・ヒンドゥー教の哲学的コンセプトで、神、人、自然との調和を意味します。3つの繋がりを大切にすることによって人間は幸せに過ごし喜びを感じることができると説いています。

バリヒンドゥーの世界観、神と人との絆、そしてバリ島の豊かな自然を私ももっと深く知って大切にしていきたいと強く思いました。

最後に、ご冥福を祈ると同時に、まだコミュニティに馴染んでいない私を参列させて頂き感謝いたします。

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